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マニューバーとは?

​ 曲技飛行では、航空機がどのように動くか決められた技のことをマニューバーと呼びます。「宙返り」や「きりもみ」の事です。このマニューバーをいくつか連続で組み合わせることでまた新たなマニューバーとなり、複数のマニューバーを続けて飛ぶことによって曲技飛行としての演技となります。

基本となるマニューバー

曲技飛行には以下の4つの基本的なマニューバー(Maneuver、機動)があります。

ロール(Roll、横転)

 機体の縦軸回りの運動を指します。基本的な360度の1回転のロールや複数回のロール、180度毎に停止する2ポイントロール、90度毎に停止する4ポイントロールがあります。

ループ(Loop、宙返り)

 機体の横軸回りの運動であるピッチ(Pitch)変化を継続し、縦方向に機首方向を変えることで行われます。通常、旋回とは横方向への機首方向の変化を指しますが、縦方向へ旋回させるマニューバーがループです。代表的なものは360度のループ、180度のループで終えるハーフループ、直線を組み合わせて四角を描くスクエアループやダイアモンドループなどがあります。

スピン(Spin、錐揉み)

 機体をストール(Stall、失速)させ、ヨーイング(Yawing、垂直軸回りの運動)を加えることにより発生する、オートローテーション(Autorotation、自転)です。木の葉が回転しながら落ちていく様子は正にオートローテーションであり、スピン中の機体はそれ自身が回転する力を持って行われます。

スナップロール(Snap Roll、スナップロール)

 先のスピンの一種です。スピンが自由落下を伴って行われるオートローテーションであるのに対し、スナップロールは運動エネルギー(速度)を保ち、飛行経路を維持して行われます。水平飛行で行われるスナップロールはホリゾンタルスピン(Horizontal Spin、水平飛行で行われるスピン)などとも表現される通り、スナップロールは速度を維持した状態でのスピンです。ヨーロッパ圏ではフリックロール(Flick Roll)とも呼ばれます。エルロン(Aileron、補助翼)を主に用いて行われるロールと比べ、スナップロールは回転速度が速いため、エルロンを主に用いる通常のロールを「スローロール(Slow Roll)」、スナップロールを「ファーストロール(Fast Roll)」などと呼ぶこともあります。

 以上の4つのマニューバーは曲技飛行の基礎となるものです。全てのエアロバティックマニューバーはこれら4つの組み合わせから構成されています。例えば、インメルマンターン(Immelmann Turn)は、ループを半分(ハーフループ)行い、頂上でロールを半分(ハーフロール)行ったマニューバーです。バレルロール(Barrel Roll)とは、ロールにループの要素を加えて、ロール中にピッチングさせたものです。これらを組み合わせて、新たな独自のマニューバーを作ることも、飛行士の想像力次第。

 空には無限の自由が存在するのです。あなたもぜひ自由な空に触れてみませんか。

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