私たちについて
日本曲技飛行クラブ-Japan Sport Aerobatic Club-とは
私たちのクラブは、飛ぶ人、見る人、応援する人、さまざまな立ち位置から曲技飛行(Aerobatics)を愛する人々が集う場所であると共に、世界に通用する曲技飛行パイロットを育成する組織を目指します。
このウェブサイトは曲技飛行に関する情報交換や交流、相互協力、相談の場所とし、愛好家の裾野を広げ、多くの仲間と共に曲技飛行を楽しめる場所となります。
曲技飛行-Aerobatics-
曲技飛行とは
現代における曲技飛行とは、飛行機やグライダー、ヘリコプターのパイロット技量を向上させる為の重要な操縦訓練-【異常姿勢からの回復飛行プログラム】-を含んだ、姿勢、速度、高度を短時間に著しく変化させる飛行のことを指します。
一般的な航空機では行わないスピン(きりもみ)やロール(横転)、背面飛行などの挙動飛行をパイロットが意図して行うと共に、確実な回復方法の操縦技術を習得するための訓練飛行です。
曲技飛行は古くからおこなわれており、その歴史は第一次世界大戦の前まで遡ります。
当時はパイロットが生き残るための高い操縦技術を身につける訓練として行われていました。
その後時代が平和になった時、それらパイロットは人々を前に各地でエンターテイメントとしての自身の曲技飛行技術を披露し多くの観客集め老若男女問わず楽しませていました。
高い飛行技術を持ったパイロット+観客が揃えば必然的に誰が最高技術を持ったパイロットかを競うようになります。
パイロットと観客が求めるような難易度の高い曲技飛行の技をいかに正確に飛ぶかという課題は、やがて曲技飛行競技として競われるようになっていきました。
曲技飛行競技について
世界で最初の曲技飛行競技会は、1930年代に行われたようです。
さらに第二次世界大戦が終わると多くの国際大会が行われるようになり、1960年には国際航空連盟(FAI)公認の第1回世界曲技飛行選手権が開催されました。
こうして始まった2年に1度開催される世界曲技飛行選手権は2024年に32回目を迎えます。
現在、曲技飛行競技は世界選手権の他、全米選手権、ヨーロッパ選手権などの地域大会や各国の地区大会が各地で毎年開催されています。
しかし残念なことにアジア地区では2013年の全日本曲技飛行競技会を最後に競技は実施されていません。
曲技飛行のルール
曲技飛行競技では、「マニューバ」(飛行課目)という規定された飛び方(技)をいくつか組み合わせて一続き飛行プログラムである「シークエンス」をつくり、それら個々のマニューバとシーケンスをいかに正確に飛ぶかを競います。
シークエンスを飛ぶには、高度な飛行技術が要求されるだけでなく、エネルギー管理能力や状況判断能力が要求されます。
また世界選手権などに使用される機体はその飛行を行うために特化した設計が成されており、合わせて高い機動力を備えているため、世界で戦うための難易度の高いマニューバの実施には熟練した機体のコントロール技術と身体トレーニングが必要とされます。 多くの地域開催競技はパイロットの技量に合わせ初心者から参加し楽しめるように5つのクラスに分かれており入門クラスのプライマリークラスは曲技飛行訓練が数時間でも参加可能です。
競技会クラスは上からUnlimited、Advanced、Intermediate、Sportsman、Primaryの5クラスあり、SportsmanクラスとPrimaryクラスは曲技インストラクターと一緒に飛んでもよいことが認められており、初心者でも競技に参加しやすいルールとなっています。
Unlimited、Advanced、Intermediateの各クラスはそれぞれ世界選手権が実施されています。
競技は「ボックス」と呼ばれる空中に1辺が1kmの立方体の空間を想定し、その範囲の中で飛行を行います。
飛行の精度、美しさ、組立が7~10名のジャッジにより採点審査され、その得点によって勝敗を競います。身近なところではフィギアスケート競技とそっくりと言えます。規定飛行科目と自由飛行科目があるところもフィギアスケート競技と全く同様です。
右の図は入門クラスのPrimaryクラスのシーケンスカードです。1~6の数字はそれぞれが1課目で、数字の順番で連続した演技を行います。
ここに課目として書かれた線記号はArestiシンボルと呼ばれ、競技パイロットはこの記号を書き込んだシーケンスカードを読みながら飛び、地上のジャッジはこのシーケンスカードと飛行の軌跡を見ながら採点します。
曲技飛行を楽しむ
世界中でスポーツとして競われている曲技飛行ですが、曲技飛行う目的は競技に参加するだけではありません。操縦技術を磨きたい、趣味として曲技飛行を楽しみたい、大勢の前でパフォーマンスを行うエアショーパイロットになりたいなど、人それぞれの曲技飛行とのかかわり方があります。
そして自分自身で飛びたい人だけではありません。各地の航空イベントを訪れてエアショーを観るのも、曲技飛行を楽しむひとつの方法です。